近年、中古住宅市場も活発になってきており、既存住宅瑕疵保険制度に注目が集まっております。
そこで今回の記事では、既存住宅瑕疵保険のメリット・デメリットと具体的な手続きの流れをお伝えします。
既存住宅瑕疵保険とは
既存住宅瑕疵保険には、大きく分けて2種類あります。
- 既存住宅瑕疵保険(個人間売買タイプ)
- 既存住宅瑕疵保険(宅建業者販売タイプ)
個人間売買タイプは、売主が宅建業者以外の場合に申し込むことができ、宅建業者販売タイプは、売主が宅建業者である場合に申し込むことができます。
既存住宅瑕疵保険に加入した中古住宅を購入した場合、構造躯体や雨漏りなどの保証がついてきます。引渡し後(1年・2年・5年)に発見された、瑕疵・不具合などは非保険者(業者)へ是正を請求することができます。さらに業者が倒産していた場合は、保険法人に対して費用(保険金)を請求することも可能です。
保険への申込は、売主でも、買主でも申し込むことができ、もし販売されている物件が、保険に加入していない場合は、検討してみる価値もあります。
中古住宅の場合は、既存住宅瑕疵保険に加入しているか、していないかで安心感がかなり変わってきます。新築住宅の場合は、法律で販売する業者に10年間の瑕疵担保責任がが義務付けられており、住宅瑕疵担保保険(新築)に加入している業者がほとんどです。その点は安心できます。
既存住宅瑕疵保険のメリット・デメリットとは
既存住宅瑕疵保険に加入した物件を購入するメリット、デメリットを見ていきましょう。
既存住宅瑕疵保険のメリット
- 建物の構造躯体・雨漏りが保証される(1年・2年・5年)
- 業者が倒産しても、保険金を請求できる
- 税制優遇が受けれる
保険加入するためには、耐震基準や構造躯体の劣化具合、雨漏りがしていないなどの検査を建築士が行います。その上で保険基準をクリアしていれば、加入が可能となっております。
最大のメリットは、なんと言っても税制優遇が受けられるということです。金額メリットの多い、住宅ローン控除や不動産取得税の減額措置が受けられます。
- 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除
- 特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例
- 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等
- 住宅用家屋の所有権の移転登記又は住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置
- 既存住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例措置及び既存住宅の用に供する土地に係る不動産取得税の減額措置
※2・4は耐震基準を満たす中古住宅を取得した場合のみです。取得後に基準を満たしても受けれません。
木造の中古住宅中古住宅の場合は、築20年を超えると住宅ローン控除を受けることができません。しかし既存住宅瑕疵保険の加入や耐震基準適合証明書にて耐震基準を満たす証明ができれば、税制優遇を受けることが可能です。
参考記事
既存住宅瑕疵保険のデメリット
- 保険費用が掛かる(未加入物件の場合)
- 保険加入基準をクリアするための是正工事が発生する場合がある
- 保証期間が短い
- 保証金額の上限が低い
瑕疵保険に加入するためには、保険基準をクリアしなかればいけません。例えば、屋根・外壁・コーキングなどが劣化していた場合は、大きな是正金額が掛かるケースがります。住宅ローン控除を受けるために、既存住宅瑕疵保険を加入しようとしている方は、控除の金額と、保険加入に必要な必要(保険料金・検査料金・工事料金)を比べた上で、判断することをおすすめします。
既存住宅瑕疵保険の手続き・流れ(個人間売買)
既存住宅瑕疵保険に未加入物件の場合
個人間売買の場合、不動産売買契約後に保険申し込みをし、検査を実施します。是正が必要であれば、引渡(所有権移転前)まで行います。
引渡までに是正ができない場合、買主でリフォームを行う場合は、引渡後リフォームタイプを選択することになります。
住宅の大きさ、保証年数、保証金額により保険料・検査料がことなります。
詳しくは、ページ下の問い合わせフォームからお問い合わせください。
※売主が宅建業者の場合は、宅建業者へご相談ください。
最後に
住まいるオスカーでは、中古住宅売買時のサービスとして多くのメニューを用意しております。補助金のご相談も承ります。
ご利用希望の方は、メールにてお問合せください。
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この記事を書いた人
加賀谷 貴志(かがたに たかし)
【資格一覧】
- 二級建築士
- JSHI公認ホームインスペクター
- 既存住宅現況検査技術者
- 耐震技術認定者
富山県を中心に住宅診断士(インスペクター)として活動しております。インスペクションの制度が世の中に広まるよう情報発信を行います。
【活動実績報告】
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