2021年「新たな住生活基本計画(全国版)」が閣議決定されました。
国は、安心R住宅、長期優良住宅といった付加価値の付いた中古住宅を広め、購入者の安心感を高めて中古住宅の流通を促していく形です。。
近年の新築住宅販売価格は、都心の需要増加、材料、人件費の高騰もあり、高くなっている傾向にあります。
中古住宅は、良い立地で、お手頃な住宅も中にはあり、購入してリフォームしたいというニーズは、高まりつつあります。
そこで今回の記事は、中古住宅購入リフォームを賢く節約する方法をお伝えします。
中古住宅の品質を確認する
中古住宅は、リフォーム済の物件もあれば、現状渡しの物件もあり、様々な住宅が存在します。
その中で筆者が、優良な住宅と思える住宅は、品質の検査をし、合格した物件です。現在国の認定制度では、安心R住宅、認定長期優良住宅いわれる住宅です。これらは、第3者機関にて、構造(耐震性・傾きなど)、雨漏りなどの検査が行われており、合格した物件のみ表示できます。
一般の中古住宅の中には、劣悪な物件も存在しているケースもあり、安心R住宅や長期優良住宅は、購入が判断基準としても良いと考えます。
また、購入者自身が検査を依頼することもできます。それがインスペクションと呼ばれる制度です。中古住宅などを第3者(建築士)が検査を行い、構造、雨漏り、給排水管(オプション)の劣化事象の有無を調べます。
購入前に事前に、住宅品質を確認できれば、リフォーム計画が立てやすく、購入後に『リフォームにこんな費用が掛かるなんて聞いていない』というトラブルを回避できます。
中古住宅購入に掛かる消費税、手数料を比較する
中古住宅の購入には、色々な税金、手数料が発生します。
税金の種類 | 手数料の種類 |
消費税 | 仲介手数料 |
固定資産税 | 融資事務手数料 |
登録免許税 | 抵当権設定登記費用 |
印紙税 | 火災保険料 |
所有権移転登記費用 |
この中で、賢く節約可能なのが、消費税です。
中古住宅の場合は、売主が(個人・業者)によって消費税が異なります。個人が売主の場合は、消費税は発生しません。
アットホームなどの不動産サイトを見ると、取引形態の表示があります。
仲介・媒介となっている場合は、売主が個人である可能性があります。
中古住宅を安く購入するためにも、消費税をチェックしましょう。
次に節約可能なのが、仲介手数料です。
これまでは、売主にも買主にも、仲介手数料(3%+6万円 ※上限)を請求する不動産業者が大多数でした。
仲介手数料とは、売買交渉を不動産業者に委託する手数料として請求されます。
しかし、買主向けに仲介手数料を安く設定している業者も出てきており、価格交渉の余地はあります。
一度不動産業者に相談してみてください。
大規模な間取り変更リフォームは極力しない
戸建中古住宅は、建てた新築の年代よって間取りが大きく異なります。
築30年~40年の物件は、敷地が広く、1階が大きく、2階が小さい家が大きく、現代の生活スタイルを考えると使い勝手が悪いです。お風呂場、洗面所などは、1坪サイズより小さい0.75坪の場合も多く、間取り変更する場合は、建て出し増築などが必要です。増築などは規模が小さい割に、大きな費用が掛かるケースが多く、お風呂サイズはチェックしたいところです。
築20年~30年は、対面式のキッチンプランが流行った時期です。対面式といっても、今みたいな吊戸棚がない、オープンスタイルではなく、閉鎖的なキッチンが多いです。LDK対面式(オープン型)へリフォームをする場合、柱・壁などを取り除けるかがポイントです。構造図面などを参考に建築士・インスペクターなどに相談してみましょう。
築10年~20年の物件は、現行基準の耐震性を満たした物件です。間取り変更などのリフォームは極力さけましょう。
共通して言えることは、柱を抜く場合は、梁補強の検討が必要ですし、壁を壊す場合は、耐力壁かどうかの確認が必要です。
建築士資格を持った業者へ相談することが大事です。
設備のグレードを上げすぎない
システムキッチン、システムバス、トイレなどはグレードによって価格がピンキリです。
設備価格帯目安(材料費のみ) ※別途工事費が掛かります。
システムキッチン | システムバス | トイレ | |
低グレード | 30万円前後 | 30万円前後 | 10万円前後 |
中グレード | 50万円前後 | 50万円前後 | 20万円前後 |
高グレード | 100万円前後 | 100万円前後 | 30万円前後 |
低グレード設備でリフォームする場合は、以下のメーカーの組み合わせがおすすめです。
- システムキッチン・・・LIXIL、パナソニック
- システムバス・・・LIXIL、パナソニック
- トイレ・・・LIXIL、TOTO
各メーカーには、中・高グレードや人気の商品もあるので、まずは低グレードで見積してみましょう。
補助金・減税制度を活用する
中古住宅を購入しリフォームする場合は、助成金や減税制度を活用することができます。
助成金は、国の助成金、県の助成金、市町村の助成金をチェックしましょう。
>地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト
減税制度は、住宅ローン控除の活用など、適応できる可能性があります。
各サイトで対象要件を満たしているかチェックしましょう。
最後に
住まいるオスカーでは、中古住宅売買時のサービスとして多くのメニューを用意しております。補助金のご相談も承ります。
ご利用希望の方は、メールにてお問合せください。
>ホームインスペクション業務
>既存住宅保険加入
>耐震診断・補強プラン
>中古住宅リフォーム
>フラット35適合証明書発行
>ドローン屋根調査
この記事を書いた人
加賀谷 貴志(かがたに たかし)
【資格一覧】
- 二級建築士
- JSHI公認ホームインスペクター
- 既存住宅現況検査技術者
- 耐震技術認定者
富山県を中心に住宅診断士(インスペクター)として活動しております。インスペクションの制度が世の中に広まるよう情報発信を行います。
【活動実績報告】
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