今回は家の断熱性能についての解説です。
「中古住宅を購入予定ですが、断熱性能が心配です」
中古住宅向けに住宅診断を行っていると、このような相談もよくあります。
実際どのように断熱性能を判断すれば、良いのでしょうか。
住宅性能表示制度
住宅性能表示制度は、品確法に基ずく制度です。主に新築向けに住宅の性能値を評価し、購入者にわかりやすくしようというのが始まりです。
耐震性の評価をクリアすると、火災保険料の割引が受けられたりと、メリットが多いです。
評価項目の中には、省エネルギー対策があり、これが断熱性能を評価することになります。
断熱性能の等級は4段階に分けることができ、以下となります。
- 等級4:平成28 年に制定された基準(通称「28年基準」)に適合する程度のエネルギー削減が得られる対策を講じた住宅
- 等級3:平成4年に制定された基準(通称「4年基準」)に適合する程度のエネルギー削減を得られる対策を講じた住宅
- 等級2:昭和55 年に制定された基準(通称「55年基準」)に適合する程度のエネルギー削減を得られる対策を講じた住宅
- 等級1:その他
等級4が最高等級になり、最新の基準をクリアした住宅となります。
認定を受けていない場合は、設計図書を確認
住宅性能表示制度や長期優良住宅認定制度などは、認定を受けるためには費用が発生します。
住宅を販売する会社の中には、認定は受けていないけど、認定基準相当の住宅として販売している会社もあります。
等級4の仕様規定をクリアしているかは、販売している営業担当に聞くのが簡単ですね。
自分でどうしても確認を取りたい場合は、設計図書の中の仕様書等、矩計図をチェックし、確認してみましょう。
断熱等性能等級4と記載されていたら一安心ですね。
既存住宅で性能が低い場合は
断熱等性能等級がわからない場合は、インスペクターなどに小屋裏や床下調査を依頼してみましょう。
天井、壁、床の断熱材に何を使用しているか、また厚みが何ミリの材料を使用しているか、アドバイスが可能です。
調査した結果、既存住宅(中古住宅)で断熱性能が低い場合は、窓を優先的にリフォームを検討ししょう。
窓は夏、冬通しても、熱損失の一番多い部位です。
窓をリフォームすることで、大幅に断熱性能をアップできます。
窓リフォーム(内窓の取付や樹脂窓へ取替)
今の窓の内側に、新しい内窓を施工することで、大幅に断熱性、気密性がアップします。
YKKAPのプラマードやLIXILのインプラスなどを検討してみましょう。
大規模なリフォームを検討している場合は、樹脂窓などへ交換を検討してみましょう。
アルミサッシに比べて、断熱性が格段にアップし、結露といった問題も少なくなります。
断熱材リフォーム(ウレタン吹付・グラスウールの2重敷き)
窓の改修と同時に検討してみたいのが、天井や床の断熱リフォームです。
小屋裏に空間があれば、グラスウール材などを2重敷きすることで、断熱性がアップします。
床下に断熱材が入っていない場合などは、発砲ウレタンなどで、吹付するという方法もあります。
まとめ
今回は、断熱性能について解説しました。
断熱材といっても、種類も多くあり、窓の性能値もメーカーや、素材によってまちまちです。
快適な生活をするためにも断熱性能は欠かせません。
住宅メーカーや、材料、工法によっても違いがあり、専門的な知識も必要です。
まずは、信頼できる担当者に相談することが、解決につながります。
最後に
住まいるオスカーでは、中古住宅売買時のサービスとして多くのメニューを用意しております。補助金のご相談も承ります。
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この記事を書いた人
加賀谷 貴志(かがたに たかし)
【資格一覧】
- 二級建築士
- JSHI公認ホームインスペクター
- 既存住宅現況検査技術者
- 耐震技術認定者
富山県を中心に住宅診断士(インスペクター)として活動しております。インスペクションの制度が世の中に広まるよう情報発信を行います。
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