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柱及び梁(構造)の調査項目・手順を解説

ホームインスペクション(既存住宅状況調査)で何を診断するのでしょう?

 

こちらのブログでは 柱及び梁(構造)に関する建物検査の詳細をお伝えします。 

 

 

 

柱及び梁(構造)|診断項目

柱及び梁(構造)の診断は、構造上問題となるひび割れや欠損等を、目視等で確認します。

また、柱の傾斜については計測して確認します。劣化がある場合、その柱及び梁は、構造上健全ではない と判断します。

【A】柱及び梁(構造)|劣化事象等の基準

劣化事象に該当するものは以下の通りです。

 

※劣化事象等の基準は、既存住宅状況調査方法基準(平成29年2月国土交通省告示第八十二号)に基づく基準に準じます。

 

 

 

(1) 柱の著しいひび割れ、劣化又は欠損

柱に著しいひび割れがないか、柱の欠損により断面が不足している状態になっていないかを、目視可能な範囲で確認します。

 

 

こちらの写真は、劣化事象になります。

本来、梁にかかる荷重は構造部材である柱で受けて土台へと伝達するわけですが、こちらの写真では梁と柱の間に木材の切れ端で作ったパッキン材が挟んであります。 過去に改装をした建物ではこのようなパッキン材で高さ調整してあるケースを見かけることがあります。このようなケースは施工に起因する不具合として劣化事象と判断し、劣化事象のあった場所・ひび割れ幅や欠損の深さを調べます。

 

また、干割れ(木材収縮時に自然と発生したひび割れ)・背割れ(木材の特徴である乾燥収縮のために入れてある切込み)は劣化や欠損ではありません。

 

 

干割れ
干割れ

 

 

背割れ
背割れ

(2)柱における 6/1,000 以上の傾斜

柱の傾斜が 6/1,000 以上ある場合は注意が必要です。

建物の構造の歪みで柱や梁が傾斜している可能性もありますし、基礎直下の地盤に起因することもあります。

 

 

こちらは、引き戸を完全に閉めた状態ですが下方に隙間ができている事例です。柱や床に傾斜がある可能性がありますので、上下階ともに周辺の床と柱の傾斜を測定し、確認します。

 

 

 

(3)梁の著しいひび割れ、劣化又は欠損

 点検口から小屋組を覗き込むことができる場合、目視により梁や柱に著しいひび割れがないかを確認します。

木材にあらかじめ設けてある背割れや乾燥収縮による干割れは除外し、屋根(積雪)荷重の支持や風や地震力への抵抗できないほどの著しい劣化や欠損かどうかを確認します。

 

 

 

欠損等はなく干割れがある
欠損等はなく干割れがある

(4)梁の著しいたわみ

小屋裏点検口がある場合、点検口から覗き込み、梁が著しくたわんでいないかを確認します。

床や天井の浮き沈みに影響するほどたわんでいる場合は、劣化事象となります。

 

 

梁に異常はなし
梁に異常はなし

【B】柱及び梁(構造)検査に必要な道具

〈調査機器〉

レーザーレベル、メジャー、定規、脚立、ライト、掃除機(天井点検口を開けると埃や粉が落ちてきます)

 

【C】調査手順

1 デジタルレベルで柱の傾きを測定する

6/1,000 以上ある測定結果が出た場合は、柱の上下の2ヶ所を測定し、3点の平均を結果とするのが望ましい。デジタルレベルがなかったら、下げ振り等を用いて傾きを計測する。

2 目視により、柱の劣化がないかを確認する

木材の乾燥収縮による干割れや背割れは除き、劣化がないかを確認する。

3 1階天井に点検口があれば、劣化事象がないか覗いて確認する

4 小屋裏点検口があれば、劣化事象がないか覗いて確認する

まとめ

ホームインスペクションの検査はこのように行います。

既存住宅状況調査技術者(建築士)による既存住宅状況調査を行い、劣化事象の有無を確認し、原因を特定することが重要です。

 

 

 

 


最後に

中古住宅の売買をご検討中の方は、申込後、契約前にホームインスペクションをしておきましょう。

 

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この記事を書いた人

Hitomi Ishikawa

 

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  • 二級建築士
  • 既存住宅現況検査技術者

 

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