今回の記事では、ホームインスペクションの告知義務と既存住宅瑕疵保険について解説していきます。
改正・宅地建物取引業法(2018年4月)における建物状況調査ホームインスペクション義務化とは?
2018年4月宅建業法の改正を受けてインスペクションの告知義務化がされました。
- インスペクションの斡旋(あっせん)
媒介契約時に依頼者の意向に応じ検査業者のあっせんすること。
- 重要事項説明時の告知
買主に対して、1年以内に建物状況調査を実施したかの有無、また結果報告の説明が必要。設計図面や調査報告書の保存状況など。
- 書面交付が義務化
37条書面に建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載する。
今後、建物状況調査(インスペクション)の重要性が高まりつつあります。
国土交通省より建物状況調査制度概要について説明したチラシが発行されています。
以下からダウンロードしてください。
>売主向け
>買主向け
民法改正(2020年4月)におけるホームインスペクションの重要性
2020年4月に民法改正が予定されており、これまでより売主の責任が重くなる予定です。
これまで中古住宅の場合、売主の瑕疵担保責任が任意規定で、「引渡しから1年」「引渡から3か月」という免責契約を設けることで売主責任を回避することができました。
改定後は、契約不適合責任により契約の解除や損害賠償、さらには追完請求や代金減額請求も増えると予想されます。
買主保護という点で、これまでより売主の責任が重くなります。
売主側にとっては、販売前にインスペクションを実施し、既存住宅瑕疵保険に加入し、そのリスクを下げることの必要性が高まってくるでしょう。
【参考サイト】法務省:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
ホームインスペクションと既存住宅瑕疵保険はセットで申し込む必要性
既存住宅瑕疵保険とは、中古住宅の売買後に瑕疵を発見した場合、修繕費用をカバーできる保険です。
先に述べたように中古住宅(個人売買間)の場合、瑕疵担保責任期間が新築に比べて短く、期間後に万が一雨漏りや構造上主要な部分に瑕疵が見つかった場合は、買主は自身で修繕を行わなければいけません。
購入物件に既存住宅瑕疵保険(2年・5年)がついている場合、他の物件に比べて安心して購入することができます。既存住宅瑕疵保険は、買主が加入申し込みすることも可能です。
既存住宅瑕疵保険に加入する条件としては、新耐震基準(昭和56年6月~)、保険会社の検査基準に合致することが必要です。検査基準は、既存住宅状況調査と類似していることもあり、同時に行うことが可能です。
既存住宅瑕疵保険の加入は、物件の引渡前に保険申込~検査~保険証券の発行を行うことが多く、
中古住宅の購入申し込みから契約の前にインスペクションを行うことで、既存住宅瑕疵保険に加入できる物件の判断が可能です。